これは私がまだ小学生に上がったか上がらないかくらいのお話。
祖母と一緒にどんと祭に行ったときのお話です。
仙台のどんと祭は盛大でどんなに小さな神社でも催される冬の風物詩です。
私はその頃、祖母の氏神さまであり、私にとっては産土神でもある青葉神社のどんと祭に向かっていました。
ちなみに青葉神社の御祭神は武振彦命=伊達政宗公です。
どんと祭は毎年1/14なので祖母の家から徒歩で向かった道は雪がチラチラ降って足元はシャーベット状態でした。
でも目的の神社にそれぞれ向かう人の波で道路は夜でも活気でにぎわい、出店も出てお祭り気分。
子供心にワクワクしていました。
そんな中、沿道にいたおばあさんがそれはそれはにこやかな笑顔で私に微笑みかけ、祖母と私に向かって深々と丁寧にお辞儀をしたのです。
そのおばあさんは白髪交じりの豊かな髪の毛をまとめていて、丸顔のお顔は柔和そのものでとても素敵な笑顔。暗いはずの夜道でたくさんの人がいるのに今でも詳細を思い出せるほど光っていたのです。
私は全く気づいていない祖母に「おばあちゃん、あのひと、おばあちゃんにお辞儀してるけど知ってる人?」と聞きました。ほんの一瞬、祖母に話しかけるのに目をそらしただけでした。
祖母とその人が立っていたところを振り返るともういなかったのです。
塀の前で両脇にも人がたくさんいるところ。数秒でいなくなれるような道ではありませんでした。
祖母からどんな人?と聞かれて説明しているうちに私はすごいことに気付きました。
そのおばあさんが着ていた服は白い半そでのブラウスに水色のスカート。そして藍染のエプロン…
1月なのに夏の恰好でした。祖母ははじめその人を思い出せないようでしたが立っていた場所と私の説明から昔、その人が困っていた時にお金を貸したことがあることを思い出しました。亡くなってから5年以上経っているはずとのこと。
お礼を言えずにいたことをちゃんと覚えていてわかるように示してくれたんですね。
人の思いは肉体を離れても永遠なんだなぁと子供心にとても温かく思った雪の夜のできごとでした。
青葉神社 https://www.aoba-jinja.com/ ※ブログの写真は青葉神社境内。龍神さまを見つけたかな?
<おまけのお話☆彡>
私は子供のころからなぜか知らないおじいさんやおばあさん(おばあさん多し)に拝まれたり、丁寧にお辞儀をされることが多々あります。水泳大会で水着で歩いているのに拝まれたことも(笑)
いつもえっ?なんで?という混乱と困惑から真相を確かめずに大人になってしまい、数少ない自分にまつわる謎!のひとつでした。子供のころは自分は実は死んでるんじゃないか?と本気で心配しました(笑)
ところが数年前に当時、金融機関の窓口にいた私に来店したお客様の高齢女性が私の頭上を見てニコニコと恍惚状態になり拝んだのです。おっとキターッ現行犯逮捕!!じゃないけどチャンス到来!と思った私は彼女の手続きが終わり次第、後を追いかけて社外に出たところで声をかけました。なにが見えてるんですか?なんで拝んだんですか?と。そしたら……突然、魔法が解けたようにポカンとして「なんでそんなこと聞くんですか?」的な顔をして逆に不審そうな顔をされてしまいました。えっ??さっきまで恍惚状態で拝みながら美辞麗句を並べていたのにーとこちらが拍子抜け。と同時にそういう人に真相を聞いてはならないのだと悟った瞬間でした(笑)お互いに魂レベルでのできごとなのでしょう。謎は謎のままで。